冬のおこもり時間に彩りを。「ペーパーバンドでカゴバッグを編む」 (第26/27回スコラ)

授業レポート

 北海道の冬もいよいよ本番。寒さが一段と深まり、外に出るのが少し億劫になるこの季節だからこそ、あたたかい室内でじっくりと何かに没頭する時間は格別です。
 今回のスコラでは、そんな冬の楽しみとして「ペーパーバンドでカゴバッグを編む」講座を開催しました。

 紙素材とは思えない丈夫さと、温かみのある風合いが魅力のペーパーバンド。今回はトリコロール模様がアクセントになるバッグを制作するため、全2回にわたってじっくりと取り組む連続講座として企画しました。
 第1回目で底面と側面を作り、各自ご自宅での制作期間を経て、第2回目で仕上げを行うという2日間の工程。参加者の皆さんが一つひとつ丁寧に形にしていった講座の模様をお届けします。

講師紹介:アトリエ[+okkusun+]の岩本直美さん

 今回講師にお迎えしたのは、アトリエ[+okkusun+]の岩本直美さんです。(昨年は美文字講座の講師としても登壇していただきました!)
「手軽に気軽に手作りを愉しむ」をモットーに活動されており、カゴ編みや消しゴムハンコなど、多彩なハンドメイド品の制作・販売を行っています。ワークショップや講座の経験も豊富で、その快活でエネルギッシュな指導で、作業に迷う参加者の背中を力強く押し、制作をリードしてくださいました。

(↓ぜひフォローを!)

講師の岩本直美さん

【第1回:底面作りと編み込みのスタート】

 初日は、バンドを適切な長さにカットするところからスタートしました。岩本先生はホワイトボードを使い、バンドの寸法や複雑な底の作り方をイラスト入りで図示。視覚的にも理解しやすいよう工夫してくださいました。
 また、制作の合間にはペーパーバンド特有の「巻き癖」の直し方や扱い方のコツについても言及。「こういう知識は、自分で別の作品を作るときにも役立ちますよ」という実践的なアドバイスに、参加者の皆さんも真剣に頷いていました。

今回の材料。バンドは伸ばすととても長い!

 そしていよいよ制作開始ですが、なんと序盤にして最大の難関「バッグの底づくり」が待ち受けていました。
 工程のなかにはボンドで接着する部分もあるのですが、一度貼ると修正がききにくいのでは…という不安から、「貼るのドキドキしちゃう」と手が止まってしまう参加者の方も。そんな時、先生からは「まちがっても大丈夫、大したことないですよ!」と頼もしい励ましの言葉が。その一言に背中を押され、皆さんはドキドキしながらも、恐る恐る手を動かしていきました。

 作業が進むにつれ、参加者同士で教え合ったり、進み具合を確認し合ったりする場面も増えてきました。「あ、こうすればいいですよ~」「ありがとうございます!」といった声があちこちから聞こえ、先生も思わず「先生が増えていくね!」とニッコリ。難しい工程も、みんなで協力することで楽しい時間に変わっていきます。

 難関の底部分が完成すると、次はひたすら細いバンドを編み込んで側面を築いていく作業へ。少しずつ側面が立ち上がり、カゴの形が見え始めました。限られた時間の中で、少し焦りつつも皆さん集中力を切らさず手を動かし続け、なんとか第1回の目標地点まで到達。
 「次回は完成したバッグを持って、ルンルンで帰れるように」という先生の言葉を合言葉に、途中まで進んだ、「側面を編み上げる」という「2週間の宿題」を持って解散となりました。

【第2回:仕上げと完成、そして手作りの価値を知る】

 2週間のインターバルを経て、参加者の皆さんが会場に戻ってきました。手にはそれぞれ、お家でコツコツと編み進めてきたバッグが抱えられています。

 いよいよ仕上げとなる第2回は、持ち手の色選びからスタート。ご自身で選んだ色が加わることで、作品への愛着もひとしおです。ここからの工程について、先生はご自身が製作途中のかばんを用いてデモンストレーションを行い、分かりやすく解説してくださいました。
 しかし、仕上げの作業は指先に力のいる工程も多く、「ちょっと疲れてきた」「手が痛い」といった声もちらほら。実際に自分で苦労して編んでみたことで、「販売されているカゴバッグのお値段の意味が、しみじみ分かりますね……」と、手仕事の価値を改めて実感されている様子でした。

 そんな皆さんに、先生はこう語りかけます。
「価値は分かった、それでも自分で作る楽しさがありますよね。自分で作ったものは、たとえ不格好でもそこがかわいいんです」
 その言葉通り、形が少し歪んでも、目が揃わなくても、それは世界に一つだけの味。
「(宿題の)側面を編むのが一番楽しいけど、あとは大変なのよね」と笑う先生に対し、参加者の方から「いえいえ、全部楽しいですよ!」と声が返ってくる場面もあり、焦りや疲れも見え隠れしていましたが、完成を目指して、一つひとつの工程にじっくりと向き合う姿が印象的でした。

段々と「バッグ」らしくなってきました!
親子で共同作業。急ピッチで組みあがっていきます。

 また、長く使うためのアドバイスもいただきました。先生ご自身が作ったカバンは10年も使えているそうですが、紙素材のため日光による色落ちは避けられないとのこと。一方で水には意外と強く、「ざぶんと1、2回濡らす分にはOK、むしろ強度が増す」という驚きの情報も。ただ、雨に濡れると水滴の跡が残る可能性があるため注意が必要だそうです。

 予定の時間はあっという間に過ぎ、惜しくも時間内に完成まで至らなかった方もいらっしゃいましたが、「家で続きをやります!」と意欲は十分。中にはすっかりカゴ編みの魅力にハマり、新たに制作キットを購入して「再挑戦」を決意される方もいました。

かご・バッグだけでなく、兜やオーナメントなどを作ることができます。
今回習ったことをベースに色や大きさを変えて作ることも!

作る苦労も愛着に。自分だけの作品を育てる時間

 全2回を通して行われた今回の講座。
 参加者の皆さんは、単にバッグという「モノ」を作るだけでなく、手作りの大変さと楽しさ、そして完成した時の達成感を味わうことができたのではないでしょうか。
 冬の寒さが厳しい北海道ですが、家の中でじっくりと手を動かし、自分だけの作品を育てていく時間は、生活に温かい彩りを添えてくれます。
 ご参加いただいた皆様、そして熱心にご指導いただいた岩本先生、本当にありがとうございました。

 スコラでは、今後も町民の皆さんの知的好奇心を満たす、多様な学びの場を提供してまいります。次回の講座もどうぞお楽しみに。