第17回「親子で学ぶ!赤ちゃんのお世話体験会」開催レポート

授業レポート

 「命の大切さ、わが子にどう伝えればいいの?」 「性教育って、どうやって伝えたらいい?」そんな悩みを持つ親御さんも多いのではないでしょうか? 今回のスコラでは「親子で学ぶ!赤ちゃんのお世話体験会」と題し、助産師の笹川朝子さんを講師にお迎えして、命の誕生から赤ちゃんのお世話までを体験しながら、自然と命の尊さを学びました。家族間の交流も生まれ、にぎやかに行われた講座の模様をお伝えします。

講師紹介:笹川 朝子さん

 講師としてお招きしたのは、旭川市で「助産院まぐのりあ」を開業する笹川朝子さん。開業助産師、看護師、保健師、助産教員であり、国際ラクテーションコンサルタント(IBCLC)としても認定されています。東神楽町の子育て支援の要として、赤ちゃん訪問や健康相談、乳幼児健診などを担当。さらに旭川市の未来プロジェクト講師として、小中学校での「いのちのお話」講話も行う地域に根差した活動を展開しています。

※国際ラクテーションコンサルタント:母乳育児支援に必要な一定水準以上の技術・知識・心構えを持つと認定された母乳育児の専門家のこと。

笹川朝子さん

赤ちゃんってすごい!命の誕生を親子で学ぶ

 初めに、赤ちゃんがどのように生まれてくるのか、笹川さんから分かりやすくレクチャーがありました。笹川さんから子供たちに手渡したのはハート形の折り紙。よーく見ると小さな穴が開いています。この穴、実は卵子の大きさを表しているとのこと。数値で言われてもピンとこないですが、こういった表現によって、よりいのちの不思議さを感じることができました。

ハート形の紙には、よーく見ると小さな穴が。

 おなかの中にいる時の赤ちゃんを表す人形や胎盤、へその緒、骨盤の模型を使った説明では、お母さんのお腹の中で赤ちゃんがどのように育ち、生まれてくるのか、その過程を具体的にイメージすることができました。

重さもリアルに再現されている人形をだっこ。
備わっているけど見えない体の機能を学びました。
妊娠6か月の赤ちゃんの大きさを再現した人形
おもりを使って妊婦体験!無意識におなかをなでてしまいます…。

 続いて行われた沐浴体験では、子どもたちが特に積極的に参加。笹川さんから「まずは目から洗うんですよ」と教わりながら、赤ちゃん人形を優しく洗う姿はほほえましいものでした。

服の脱がし方、お風呂の入れ方に興味津々
「やさしく拭いてね~」にこにこでお世話してくれました。

 講座の後半では、笹川さんが年代ごとに対応した性教育の本を紹介してくださいました。小さい子に読み聞かせができるような絵本から、10代の若者向けの本まで、内容は多岐に渡ります。参加者は興味津々で本を手に取っていました。性教育と聞くと少し身構えてしまうお子さんが多いですが、実際は生殖に限った話ではなく、自分自身の心身を守ること、同じように他者の心身も尊重すること、多様な家族の形のことなど、その内容は幅広いです。年代や場面に応じた伝え方・学び方があると知ることができました。

「いのち」を身近に

 今回の講座では、命の誕生から育児の実践まで、幅広い内容を体験的に学ぶ機会となりました。参加者それぞれが、その年代や経験に応じて「いのち」を身近に感じることができたのでは?と思います。

 また、年齢に応じた性教育の教材との出会いは、各家庭での対話のきっかけとなることでしょう。自分と他者を大切にする心を育てることの大切さ、そしていのちの教育は特別なものではなく、日常の中で自然と伝えていけるものだということを、改めて実感する機会となりました。

 スコラでは、今後も地域住民の学びと交流を促進するイベントを企画していきます。
ぜひご期待ください!