「お金の不安」は知識と行動で小さくできる(第22回スコラ)

授業レポート

 「お金」という、私たちの人生から決して切り離すことのできないテーマ。身近だけど、教わる機会が少ないこの問題に、正面から向き合うための講座が開催されました。東神楽町民の学びの場「スコラ」が主催する今回の講座「君はお金とどう生きていくのか~未来をひらくお金の知恵~」では、未来への漠然とした不安を「希望」に変えるためのヒントが数多く語られました。

東神楽町の頼れるお金の先生

 今回、私たちに未来をひらく知恵を授けてくださったのは、東神楽町在住のファイナンシャルプランナー、庄司さんです。 先生の投資歴は、実に40年以上。長きにわたる実践と学び、時には失敗も重ねる中でファイナンシャルプランナーの資格を取得されました。豊富な経験に裏打ちされたその言葉は、単なる知識の受け売りではなく、一つひとつに重みと説得力があります。

ファイナンシャルプランナーの庄司さん

知識と行動が不安を小さくする

 講座は、庄司さんのこんな言葉から始まりました。

「私も年金生活となり、これから若い人たちに支えられる側になります。だからこそ、少しでも若い人たちになにか返していきたい。その一心で今日ここに来ました。」

 その温かくも力強いメッセージで会場の空気もやわらぎ、参加者の表情には自然と笑顔が広がっていきました。
 まず庄司さんは、若い世代に向けて問いかけました。
 「皆さんは、これからの日本の将来をどう思いますか?」
 すぐさま上がったのは「国にお金がなさそう」「景気は大丈夫かな?」といった、少し暗い未来像・・。「AIやロボットといった技術革新が、社会を良い方向に導いてくれるのでは?」という希望の声も上がりましたが、抱く思いは「何となく不安」というもの。これこそが、現代を生きる若者の多くが抱える感覚なのかもしれません。

これから日本はどうなるんだろう・・どうしてもネガティブなことが思い浮かびます。

 この「何となく不安」という思いを和らげるために、庄司さんは「国に頼りきるのではなく、自分自身でお金のことを真剣に考え、行動することが何よりも大切」だと訴えます。

「年間で生まれる子どもの数は減り続けています。これは、若者の数が確実に減るということ。20年後の20歳の人口は、昨年生まれた赤ちゃんの人口から減ることはあっても増えることはない。この先、景気が良くなるか悪くなるかは誰にも分かりませんが、少子高齢化は今後も確実に進む、避けられない未来なのです」
 「ほぼ確実に起こること」と「不確定なこと」、「自分にできること」と「一人ではどうにもならないこと」これらを見分けて、できることから積み重ねていく。不安を不安のままにしないために必要な心掛けの一つだと感じました。

初めの一歩が大事

 この厳しい現実を前に、私たちはどうすればいいのか。

「今はNISAやiDeCoといった制度のおかげで、私たち庶民でも『資本家』になれる時代です。資産を持つことのハードルは、驚くほど下がっているんですよ」

 その第一歩として、庄司さんが強く勧めたのが「証券口座の開設」でした。
「とにかく、まずは口座を作ってみましょう。投資をするかしないかは、作った後でまた考えればいい。今が一番若い!最初の一歩が大事です。」

 もちろん、投資にはリスクも伴います。 どんなリスクがあるのか、できるだけ小さくするにはどうしたら良いのかもしっかりとレクチャーいただきました。

 最後に、先生は無理なく続けるための具体的なコツを教えてくれました。
「人間とは弱いもので、手元にお金があると、ついつい使っちゃう。だから、お給料が入ったら、まず投資に回す分を別の場所に移してしまう『先取り』が効果的。今の生活も大切にしながら、自分のできる範囲でやってみてくださいね!」
 過度に今の生活を締め付けず、そして「未来の自分」が喜ぶ選択をする。小さな一歩を積み重ねていきたいですね。

楽しく未来を描こう!

 今回の講座は、お金との付き合い方を見つめ直す、大変貴重な機会となりました。参加された方々からは、「とっても面白かったです!頑張って投資します」「楽しく勉強できました!」といった前向きな声が寄せられました。

 お金について学ぶことは、単なる資産形成のテクニックを知ることではなく、変化の激しい時代を自分らしく、たくましく生きていくための「知恵」を身につけることだと実感しました。

「これからどう生きていくか」

この問いを常に持ちつつ、自分らしいビジョンを描いていきたいですね。

私たち「スコラ」は、これからも東神楽町民の皆さまの「学びたい」という気持ちに寄り添い、人生を豊かにする多様な講座を企画してまいります。次回の開催も、どうぞお楽しみに!